あずき豆知識

あずきはアジア生まれということは分かっていますが、その祖先種と原産地について、まだ定説はありません。

北海道では元禄8年(1696年)、南部藩から種子を取り寄せたのが最初であるといわれています。

かつて日本や韓国、中国ではあずきは食物である前に、その美しい赤色が呪術的な意味をもち、魔除けや汚れ払いなどに用いられてきました。
一般にもハレの(めでたい)日の食物として、正月15日や季節の節目に赤飯やあずき粥を食べていました。
このようなあずきの利用法は一面、合理性を持っています。
現在のように冬季に新鮮な野菜を口にすることが難しかった時代にはあずきを粥にして食べることは、健康維持向上に役立っていたのです。
あずきに含まれるサポニンには溶血作用がありますが、実際古代においては薬として利用されていたといわれます。
また、あずきに含まれる鉄分は血液の原料でもあるので、その供給にも有効でした。
人間の長い経験から生まれた慣習には深い知恵が隠されています。
あずきは低温に弱く、冷夏の年は収穫量が落ち込み市場価格が高騰するのに対し、
豊作の年は収穫量が過剰になり、暴落することがあります。
あずきが投機商品の代表とされてきたのはそのためで、「赤いダイヤ」と呼ばれるゆえんです。